夫婦二人三脚で営む陶芸工房

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2024/07/22 11:42


翁長 美和子(Miwako Onaga)

おなが家絵付担当

1974年生まれ。
沖縄県宜野湾市出身。
米テキサス州サンアントニオカレッジ、プリントグラフィック卒業
沖縄県内リゾートホテル企画広報就職
フリーランスへ転向
・企業の印刷物全般、HP作成などグラフィックデザイナーとして活動開始
・沖展デザイン部門入選、沖縄県那覇市前島アートセンター個展などイラストレーターとしても活動する

結婚後、二人の子供を授かり、夫が父の工房に入ったことをきっかけに器に絵を描き始める。
2019年夫と工房を構え、伝統的技法を踏まえ、自分たちが表現したい形に挑戦中



◇インタビュー記事
(インタビューワー・コピーライター/中山理恵)

Q:マグカップの魅力を改めて教えてください。

もともとは良が得意とする器ということ、私はコーヒーが大好きということがきっかけでした。今の自分達に出来ること、『コーヒータイムを豊かにするマグカップを作る』がおなが家の出発点でした。 魅力について。 選ぶ人それぞれの個性が出る器だと思います。自分へのご褒美、大切な人への贈り物に選んでくれる方も多いです。大きさ、形状、ハンドルの持ちやすさ、デザインなど自分に合ったマグカップを選ぶ楽しさがあると思います。

Q:絵付けをする際に大切にしていることを教えてください。

目の前の枠に収まらないこと。 器の外の描いてない部分に想像を巡らせること。 その先に続きがあるように仕上げることで、お迎えしていただいた後もお客様が自分の物語を楽しんでもらえたら嬉しいです。 注文で作る器は、また特別な想いがあります。そのお客様の要望も可能な限り取り入れますが、私がその方へ贈る絵付けとして、心を込めて描くことを大事にしています。お客様との出会い一つ一つを大切に、1度限りではなく育んでいけますようにと願いを込めています。

Q:マグカップの絵付けと、それ以外のものの絵付けで変えている工夫などがあれば併せて教えてください。

お皿や小鉢などは料理を添える時のことも考えたりしますが、その点マグカップは、自由に絵付けができます。手に取っている時間が多いので、くるくる回して色々な角度から絵付けを楽しめるように心がけています。テーブルに置いてる時、飲む時、持っている時、それぞれの目線を考えながら描き始めます。キャラクターの配置や、色のバランスで見る人の目線の流れを作る。描いている時は、もしかしたらココも見てくれるかも?など、描きながら構図を考える時も多いです。

Q:美和子さんの経歴を簡単に教えてください。

高校卒業後、米テキサス州サンアントニオ大学へ留学。プリントグラフィックデザイン(カリグラフィー)専攻卒業後、沖縄に戻りホテルへ就職。 ホテルでは企画広報にて、館内ポップやメニューなどを製作していました。 3年を経て、フリーランスに転向。オリジナルイラストのグッズ販売も手掛けながら、グラフィックデザイナーとして独立する。その傍らで、学生の頃から手伝っていた父の工房で、陶芸絵付も習いはじめる。 結婚後、良が父の工房に入った時を機に、本格的に陶芸をやりたいと思うようになりました。2人の子供を授かった時は、子供達との時間を大切に過ごせる空間で仕事をしたいという夫婦の想いで『おなが家』を開業しました。

Q:イラストを描きはじめたのはいつからですか?

物心ついたころから。学生の頃は文集の表紙、イベントTシャツのデザインや卒業記念の壁画なども担当させていただきました。旅先で出会う人や景色も常にスケッチしていたし、インパクトが強いものに出会うとすぐ絵にして残したくなります。

Q:アメリカの大学でデザインを学んだと思いますが、美和子さんが感じるデザインとイラストの違いはどんなところにありますか?

デザインは商業的、イラストは抽象的みたいな所はあった。もともと絵を描くことが好きだったけど、見る人に何を伝えたいのかとかはあまり考えていなかった。ただ描きたいものを描くという感じでした。大学でデザインを勉強した時に、クライアントと話し合って作品を手掛けることに、大変だけどやりがいを覚えました。今はできるだけ自分が描く絵の物語は伝えたいという気持ちが強いです。

Q:釉薬など色出しのこだわりについておなが家オリジナルのことを教えてください。

釉薬は父から教わった伝統的なものです。 沖縄でとれる原料で作った釉薬を取り入れること。この色をさすだけで、沖縄らしさが伝わると思っています。 フィンランドへ訪れた時に感じたこと。ムーミンの色合いはここで生まれたんだと納得できるような景色に出会った。 沖縄に訪れた人が、おなが家のマグカップを見てそんな風に感じてくれたら嬉しい。

Q:良さんの成形があってこそ「おなが家のマグカップ」が完成すると思いますが、そのことに対してどんな思いがありますか? あれば教えてください。

器はやっぱり使いやすさが一番だと思う。色々ある中で、ついつい手に取ってしまう器が理想的です。良がこだわる使いやすさ、お客さんの意見を上手く取り入れて作られた形は、彼の想いが伝わってくるほどです。絵付け前に真っ白なマグカップを眺めてると、その想いに応えるように何を描こうかと考えるのが楽しいです。

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